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ミーハー万歳

朝目覚めてからしばらくの間、無気力のまま過ごしていた時期がある。
出掛ける直前迄身支度すら出来ず、それこそ仕事がなければ一日中ぼーっとしてしまう。
とにかく身体がだるくて、それに引き摺られるように気持ちも沈みがちだった。
そんな折、偶然見かけたのが鬱状態に警鐘を鳴らす広告。
初期段階であれば回復も早いせいか、心当たりのある人は一度専門医へ…といった内容だった。
愕然とした。
もともと浮き沈みの激しい方で、あの時もどうせいつもの落ち込みと軽く考えていた。
ところが、簡易的なチェックリストでかなりの項目に思い当たる。
これは一度診察を受けた方が良さそうだ…と腹を括ったものの、果たして何処の病院で受診すれば良いやら。
それ以前に更年期特有の症状を改善すべきでは?と思う節もあり、だったら女性外来を探すべきか?と悩んだりもした。
そう、私は更年期鬱を疑っていた。
結局診察は受けていないので断言することは出来ないが、当時は本当に無気力で、音楽を聴く余裕すらなかった。
それでも生きる気力だけは残っていて、ちゃっかり誕生日プレゼントと称した買い物も行っている。
何だかんだいっても気晴らしは見つけている訳であり、その時も普段は聴かないジャンルのCDを購入していた。
ところが、iPodに放り込んだはいいが、一向に聴く気になれない。
せめて一回ぐらいは聴こうよ…と己に言い聞かせ、恐る恐る耳を傾けたのが運の尽き。
私、すっかりファンになってしまったのである。
正直突っ込みどころは満載で、その点は他のアイドルもの(そう、相手はアイドルだ)と何一つ変わりはないが、それでいて良い意味で世間知らずというか、純粋培養というか、本気で歌詞の世界観を信じているとしか思えない歌声が私には新鮮だった。
かつて私も持っていたであろう、純粋で真っ直ぐな気持ち。
一体何処で失ってしまったのだろうか。
そんなことに思いを馳せるうちに身体の不調は軽減され、心なしか気持ちも上向きになっていた。
尤も、現実はそんなに単純ではない。
その後も激しい浮き沈みを繰り返し、正直日本語の歌詞は一切受け付けない状態にも陥っている。
いや、日本語だけではない。
外国語(大半は英語と思われるが)であっても同様で、気晴らしに聴くのはPodcast(何故か平気)かインストばかり。
未だに「元気のある時」でなければ歌モノは聴けないし、聴こうとも思わない。
それでも彼らに出会えたことはラッキーだったし、もし出会わなければ本当に鬱に陥っていたかも。
そう考えると、ミーハーも悪くない。
もっと自信をもって「私はミーハー♪」と言うべきかも。